伝説3 神仏・聖者の事業

光泉寺のお地蔵さんと荒神こうじん(能美町)
 ある のことです。日照り続きで高田村の田には水が無くなって、せっかく植えた稲も枯れかけてきました。村人 たちは、ほんの少ししか流れていない川の水を苦労して田へ運んでみたけれども、 け石に水で何の効果もなく、ただ青い を見上げてため息をついていました。やがて村人 たちは、お地蔵さんや荒神社に雨いの願掛けを始めました。村じゅう総 で一生懸命祈願したのですが、雨が降りそうな気配 は全くありません。
 そんなある朝、一人のお百姓さんが へ行って見ると、どの田にも水が満々と入っているではありませんか。びっくりして を見上げると、相変わらずの雲一つない晴天です。不思議 に思って周りを見回してみると、水は川から流れ込んで来ていたのです。 かさを増した川が音を立てて流れていました。
――どう たことだろうか。
 と思ってミナクト(水の取り入れ口)まで行って見ると、金の杖と草鞋わらじの跡が残っていました。その草鞋 の跡は、どの田のミナクトにも残っていたのです。そのお百姓 さんは、金の杖は光泉寺のお地蔵さんの物だということを知っていました。
――これは、お地蔵 さんと荒神社の神さんが救ってくれたに違いない。
 さっそくこのことを村人たちに知らせました。村人たちは感謝 の心を込めて、金の杖と草鞋の跡に手を合わせて拝みました。それから後、お地蔵 さんと荒神社のお祭りは、村人総出 で盛大に行われるようになったのだそうです。
(能美町青年団・鹿川隣保館若者会編『郷土の歴史』)