伝説9 神仏・聖者の事業

迫の 蔵さん(大柿町)

 阿弥あみ陀地だいじに登る途中の池のほとりにある、赤い腹当はらあてをした地蔵さんは、むかしは阿弥陀地の の上で、向こう向きに立っておらっしゃったんじゃげなが、倉橋と能美の の出舟が何遍も何遍も沈むので、村人たちの間で、「あれは、お地蔵さんが『あの舟沈め、あの舟沈め』いうて、人指し で指図をされるからにちがいない」ということになって、それで、お地蔵さんの人指し を切って、海の見えない池のほとりに ぎ下ろしたんじゃげな。
(『波の音』第四号。話者 竹内千代)