世間話30
人間の運命・因縁
鹿川
かのかわ
村の疫病
(能美町)
だいぶん
前
の話じゃが、鹿川がまだ鹿川村といわれていたころじゃった。
ある時、村の沖に難破船が漂流しとるのを村の
者
もん
が見つけてのう、ソリョウ(それを)
村
の港へ引っ張って来たんじゃと。ところが、ヨウ(よく)調べてみりゃあ、なんとまあこの船ゃあ、
悪
わり
い病気を持ったものをいっぱい詰めて、
他所
よそ
の土地から流されて
来
たもんじゃったげな。
――こりゃあ、
い
けん。
思うた
時
にゃあ、ハア(もう)病気が村に広がってしもうとって、村の者が
仰山
ぎょうさん
死
ん
だんじゃと。
何でも
落
ちとるものは拾やあエエ(よい)、いうなぁ考えもんでえ。
(伝承者 小宇根達磨)