昔話3

の女房(大柿町)
 昔は「小古江おぶれの新道」といって、小古江から鹿川かのかわ村へ行くたった一本の道がありました。それは しい淋しい道で、暗くなると化け物が出ると言われていたんです。その道のほとりに、独り の中年の男が住んでいたそうです。
 ある晩、 ていると戸をたたく音が聞こえます。目を覚まして出て見ると、戸口に美しい女が っていて、
「夜道に迷ってうちへ帰れなくなり、困っております。どうか一晩泊めてください」
 と言うのです。男は困惑 しながら、
「まあ粗末な ですが、中へ入ってください」
 と、美しい女を家へ入れて、 めてやることにしました。
 そうしたら、あくる 、その女は、
「もしよろしければ、 をあなたの嫁にしてください」
 と言うのです。男は独り者でしたので、喜んで結婚 することにしました。
 結婚してから数日 たったある日のこと、男は畑仕事に出ていて忘れ物を思い出し、家へ帰りました。お嫁 さんは家の中で掃除をしていました。その後姿を見て、男はビックリしました。なんと、座敷を掃いているのはほうきではなくて、長い大きな尻尾しっぽではありませんか。声も出せずに、 ーっとその場を離れて、男は畑へ引き しました。
 そして、野良 仕事を済ませてから家へ帰ってみると、お嫁さんの姿が見えません。それっきりお嫁さんは、 度と姿を現すことはなかったそうです。
 村の たちは、
「あれは だったにちがいない」
とうわさをしたという です。
(話者 畠岡アヤノ)

昔話「狐女房」(大成 116)の世間話化したもの。