笑いばなし3

米のまま(能美町)
 前にゃあのう( はねえ)、平生は白い米の飯ぁ食わしちゃあもらえんかったんデェ。甘藷いもん中に米をチイト(少し)入れたイモジャ(甘藷飯)か、丸麦の麦飯ばくはんかしか食われんかった。米の飯はノ、オロセ (仕事を休む日。ハレの日)か法事の時ぐらいしか炊かんかった。まあ、米の飯が一番うまぁ御馳走ごちそうじゃったんよ。
 トンヤンいう若いがのう、法事にばれたんじゃげな。お経が済んで白い米の飯が出された。ほう たらトンヤンはなんじゃげな、ソリョウ(それを)ドウナコウナ(何とも言いようがないほど)食やあげたんじゃと。ホシテ(そして)ぬる(帰る)段になったら、アガリガマ (玄関の上がり口)に腰を下ろして、
「誰かオマに(私に)下駄ぁ かせてくれんさいや」
 言うた な。見りゃあ、ツキノッテ(反り返って)天井を見ておったと。ほいで、まわりにおったもんが、
「ワリャア(お前は)ソガイニ(そんなに)ツキノットるけえ、履かれんのよ。かがみゃあメエメエで(自分で) かれるじゃあなぁか」
 言うたら、トン ンが言うたげな。
「屈めるぐらい ら、もう一杯食うわいや」
(話者 小宇根せきよ)
オロセ=正月・盆・祭り・節句・お逮夜たんやなどの仕事を休む日。