笑いばなし5

鮮近海での漁(第一話)
 辰五郎と、江田 島太郎は、麦畑で話していた。
「辰 郎さん。ひどう長いこと見だったのう」
「おお、朝鮮近海 で、漁に出かけておったのよ」
「して、ドガァ な(どんな)ぐあいじゃったかのう」
「ドガァもコガァも(どうもこうも)ある んかい。山のようなものへぶつかって、進むに進まれず、退こうにも退 かれず、にっちもさっちも行かないで一週間ぐらい、そのままに ておったのよ」
「そいで、よう って来たのう」
「うん、はじめは ぬるかと思うちょった。とぐろを巻いた海蛇じゃった。たまげたのなんのいうてあり ゃせんで」
「そいで、ドガァ にしたんの」
「わしゃ、目を のようにして、にらみゃげちゃった」
「海蛇 、どうもせだったかの」
「うん、五月 で、暖かくなるのを待ちよったんじゃろう。海蛇は、南へくだっておらなくなっ で」
「そりゃ 、よかったの」
「もうちい とおったら、食べるものも無くなるし、食うちゃるんじゃったんじゃにのう。惜しいことをしたと うちょるよ」
「ぎょっ。たいした っ玉じゃのう」