世間話13 妖怪の奇異

猿猴えんこう胡瓜きゅうりが好き(能美町)
  のヒノヌケ(昼食後、三時ごろまでの休憩)の時、子どもは昼食もそこそこに、海や近くの へ泳ぎに出かけていましたが、そういう時には必ず大人たちから、こんな注意 を受け ものでした。
胡瓜 を食うて泳ぎに行くなよ。猿猴に捕られるド。猿猴は胡瓜が好きじゃけえ、胡瓜を食うたコマァ(小さい)子が泳ぎよると、けつに手を突っ込んで腹ん中の胡瓜を取るんよ。それで、取られた子は ぬんじゃ。死んだ子の尻を見てみい、みんなポカッと穴が あちょろうがいや。大けぇ子のは取られんのよ。ほいじゃが、油断しちょると られるんでえ
 当時の農家 の昼のおかずは、どこの家でも大抵胡瓜モミか、胡瓜ナマスでしたから、子どものころは んだものでした。
(伝承者 小宇根達磨)

ヒノヌケ=農家では田植えが済んだ後、真夏の陽射ひざしを避けるために、昼食後、3時ごろまで涼しい所で休む。これをヒノヌケ と言っていた。